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■沖縄 染織のための自然素材展 2005

 前にもお伝えした沖縄素材展が10月28日から30日まで開催されました。
琉球絣組合の企画もあって、大規模な催しものとなりました。
大井川葛布関係で11名のツアー参加。本土からもたくさんの(200名を越える)参加者があったようです。地元 南風原町も町を挙げて準備をして下さいました。
当日私 着物で参加しました。苧麻を妻が藍(愛)で染めた着物に葛布の袖無羽織り、葛布の帯に葛布の合切袋、葛布の扇子。人気しましたよ。宮古上布織っている女性3人に、記念写真までせがまれました。
 沖縄の作り手たちの真剣な眼差しはすごい。ほとんどの人が3日間会場にきて見ていました。それと同時に、沖縄の置かれている状況もわかり、彼らが今後素材と如何に向き合って行くか真摯な気持ちも理解でき、この催しが今後の琉球染織を変える転機に成るだろうことは確信がもてます。
 とにかく、染織関係の有名人、巨匠が多く来場し、「あの人雑誌で見たこと有る!」「この人は有名な※※だ!」と染織ミーハーの私には興奮の3日間。もちろん有名人と一緒に記念写真も撮って貰いました。
展示会が終わった次の日は人間国宝 琉球絣の大城廣四郎工房に見学に行きました。ここは澤地久枝著「琉球染織紀行」にも載っている、著者が織物修行をしたところ。見事な絣が次々織り出されている織り工房に感動、括り、染色場にも興味津々で見てきました。その後 3代目、拓也君の工房へも行きましたら沖縄民家のなかに織り機が三台。一台はデニムを織っていました。身体の大きな拓也君(ちなみに120kg)が機に座っているところは 可愛らしい!!。 そして、安心しました。「私はまだ40kgは余裕が有る・・・」
 石垣昭子さんが云っていました「島ではどんな女でも、今でも機を織る。それが仕事であろうと、家族の為であろうと・」
 沖縄に刺激を受けて 帰ってきたわれわれに 新たな野望が生まれました。とりあえず報告まで・・・

2005年沖縄南風原町の公民館で
「染織のための素材展・沖縄」と併設して
琉球絣組合創立30周年記念の
「琉球の染め織物-明治-大正-昭和」
「南風の花華」の展示が行われました。
明治以降の琉球織物の貴重なコレクションが一同に集まり、また現在、琉球絣組合に所属する作家たちの作品が100点以上並びました。その見事な染め織り。撮影不許可だったので画像でお伝えできないのが残念。

南風原町公民館入り口で
南風原町は琉球絣の中心地。沖縄工芸指導所があり、至るところに工房がありと、絣のメッカです。

琉球絣太鼓の勇壮なリズムにのってオープニングセレモニーが始まったのである

テープカット。左2、南風原町長、中、琉球絣組合理事長。右1、素材展の実行委員長、青土さん。

大井川葛布のブースです。

今回は初めて葛ツグリの販売をしました。

宮古苧績保存会の下地さん、宮古上布の織り手さんたち記念写真

喜如嘉で芭蕉布を織っている平山さん。今年6月三越の展示会に彼女が来てくれてからの知り合い。

和裁の巨匠、一衣舎の木村幸夫さん。数日前、「男のきもの/達人ノート」で読んだばかりの人。いろいろおしえていただきました。木村さん一行6名は3日間お出かけ下さいました。

喜如嘉芭蕉布の平良美恵子さん。当日芭蕉布のレクチャーをしていただいた。人間国宝の平良敏子さんは義母。

二日目午後、葛布のツグリ作りについてのワークショップを行いました。同行のYさんMさん、Sさんに手伝ってもらい、葛布の採り方、葛の裂き方、ツグリの作り方を話しましたが、皆さん真剣に聞いてくれてびっくり。ほとんどの方がプロの織り手の中での講義は緊張しました。
 着物に前掛け、たすき掛け姿で話しました。

大麻の大森淳子さん。苧引きのワークショップ行ってくれました。彼女とは03年コルトン以来です。

小口慶子さん。絹のキャリアの展示。
彼女とも松本CF。織り姫衣展、授賞式など何度もご一緒しています

ネパリ・バザーロの土屋さん。ネパールの紙糸、紙布の展示。昔私は紙布織っていたので懐かしかった。

インドのバナナの糸と苧麻の展示の森信子さん。

山形県鶴岡市から来た富樫夫妻。しな布としなの糸の展示でした

富樫さんのしな糸撚りのワークショップ。
いつもは控えめな方でしたが、お酒が入ると・・・・

ネパールの大麻とアローの糸の展示の西川晴恵さん。大宜味村に住んでいる。芭蕉布も織っていたが
現在はネパール人と旦那と材料仕入の仕事をしている。彼女のHPはここ

京都の麻素材店、青土(あおに)の旦那。
彼からの電話「沖縄へ着物着ていきまへんか?」で急遽我々夫婦は着物にする事に成った。03コルトンでも一緒だったが、こんなに吉本興業系とは思わなかった。お隣で楽しかった。

グアテマラの茶綿と原始機の展示の星野利枝さん。
ご主人はバックストラップ機の大家、京田誠さん。
彼とはカワシマテキスタイルスクールの寮で夜中まで語った事が有る。奇遇である。

糸紡ぎの実演は星野さん

いつも教室の卓上織り機や糸でお世話に成っている京都アブリルの福井さん。普段は無口だが、酒が入るとこの人もオモロイ。

徳島で太布(楮布)を織っている石川文江さん。03コルトン04浜岡CC自然布展でご一緒しました。大井川葛布注目の織り手です。彼女琉球大学卒の才媛

ツアー一行の皆さんも店を手伝ってくれました。

SHOKU international の牧さん。ラオスの木綿糸と布の展示。ラオスでも葛の繊維作っているところが有るとの情報をいただきました。

絹織りの人なら誰でも知っている、京都下村撚糸の輝ちゃん。59才の誕生日を会場で迎えました。皆でバースディーケーキ上げました。

大井川葛布一行は11名。ほとんどの方がワークショップ卒業生。

静岡県は福田町の寺田さん。和綿での出展

寺田さんの綿打ちワークショップ。寺田さんのお父さんは何度かお目にかかった事が有りました。
福田町は別珍コールテンの産地。私の祖父もそこで機屋してました。

竹筬研究会の展示

西表の苧麻績みのオバアの指導

しばらく見えないと思ったら、隅でぶんぶんを借りて葛に撚りを掛けていた良子さん。ひょっとしたら次は経緯葛の布が出きるのかな?請うご期待。

沖縄の葛。花の柄が本土よりかなり長い。

那覇の方が沖縄の葛を採ってきてくれました。本土のものより葉が小さい。

葉の拡大写真。葉にくびれが無く、葉の先が尖っている。台湾葛、熱帯葛のようだ。

西表島 紅露工房(クールこうぼう)の石垣昭子さん。初日レクチャー講師でもある。映画ガイヤシンフォニー出演でも有名。土地に根ざした織りと生活をしている。

展示会が終わった翌日、人間国宝大城廣四郎工房を訪問しました。南風原公民館からすぐ近くに工房は有りました。

手で掬いながら模様を織りだす、手花織り。

織り工房の見学。たくさんの織り機が整然と並び、いろいろな絣を織っていました。

経て絣の糸のズレを調整しているところ。

大城一家と記念写真。右から大城一夫さん、私、息子の拓也君、奥さん。
澤地久枝著「琉球布紀行」の琉球絣にこの工房の事が述べられている。

今回の素材展を支えてくれていた大城拓也君。昨夜一緒に飲んだので、早速工房見学の約束を取り付けたのだ。お父さんの工房とは別に彼の工房が近所にあった。そこで従来の琉球絣とは違った現代的な絣を織っていた。祖父が故大城廣四郎、父が一夫(琉球絣組合理事長)と琉球絣界のサラブレッドはその澄んだ目で未来を見つめていた。持っているのは絣ジーンズの生地。

昨夜から彼が織り機に座っていることが想像出来なくて、どうしても見たかったその姿!。体重120kgの彼の繊細な打ち込みは予想外。これならまだ私は40kgも余裕があるとほくそ笑むのであった。

4日間展示会が忙しくて沖縄観光が出来ませんでした。帰る間際にやっと首里城に行って来ました。
守禮門前で。

首里城主殿のまえで。中国紫禁城を小さくしたような、広場がある。日本の御所と違い中国の影響が色濃い。