HOME | 活動報告 | 2009年染織紀行1  摩耶山を関川から望む

2009年染織紀行 科布・からむし織を訪ねて

10月15日から18日 東京、東北へ染織の旅に出かけた
初日は東京で雅叙園の「手織り100人展」
午後は東京シルクのシンポジウム 
二日目は 山形 関川の科布 しな布の里 
     新潟 山熊田 さんぽく生業の里 を訪ねた。
三日目は 福島 三島町の 生活工芸センター
        昭和村  からむし工芸博物館
そして最終日は 新潟 津南町で アンギンを見てから 東京にもどり 志村ふくみ展を見学
まさに 染織ど真ん中紀行となった。
その報告

なお 「染織紀行」は ブログ葛布通信に載せた文章を掲載しました。 

染織紀行その1

明日から染織旅行です。初日は東京で雅叙園の「手織り100人展」
午後は東京シルクのシンポジウム 夜は染織仲間と騒ぎます
翌日は 新潟さんぽく しな布の里と 山形 関川の科布を訪ねます
次の日は 福島昭和村 苧麻のさとに行きます
 そして最終日は アンギンを見てから 東京にもどり 志村ふくみ展を見学
まさに 染織ど真ん中紀行となりそうです。
 もっとも今回は鞄持ち・・・・ のようなものです。が 鞄持ちを案内してくれる
心優しい仲間がたくさん居てくれて助かるのです。
 染織をやっていて良かった・・・

染織紀行その2

今回の旅行には一冊の本を鞄に忍ばせた。
邊見泰子の「おりひめ物語」1982年の発行の本だ。
今から6年ほど前に古本屋で手にして、感動した本だ。
目次を紹介しよう
第1章 織姫観音ー会津麻ー
第2章 花の里 羽越科布・薇紬
第3章 孤の桜ー丹波木綿
第4章 南の糸ー山原芭蕉布
 この本を読みながら 今回の旅を味わいの深い旅にしよう。
今回の目的地は 関川のしな織センター さんぽく山熊田の さんぽく生業の里
昭和村 からむし会館である 
そして 同行するのは 4章にすこし登場する平良さん。
 この本の書かれた二つの産地を27年後の私が訪れる。
物語の続編に出演者として登場する気分だ。
もっとも この本に登場している 平良さんの前でこの本を開いたら
「何を読んでるのよ?」と笑われそうだから 新潟で彼女と落ち合う前に読んでおこう。
 今回の旅は、あこがれのスターに会いに行くファンの心境である。
タダのミーハー と言われそうだが・・・。

10月15日 東京

この日は朝早く東京に出発、目黒駅の喫茶店でコットンプロショップの打ち合わせ
その後、目黒雅叙園で行われていた「吉田紘三と手織100人展」へ
吉田先生へご挨拶しました
 午後からは成城学園前で行われていた「多摩シルクシンポジウム」に出席
講師の宮坂さんへご挨拶 志村明さんのお話が圧巻でした。
 夜は昨年のワークショップ受講者の集まりに参加 おおいに盛り上がりました。

木綿布の小峰(田口)さんと大熊さんとの打ち合わせ

大阪からラオスの布研究をしているIさん、吉田紘三門下のAさんも目黒で待ち合わせ


多摩シルクのシンポジウムに行ってきました。とても興味深い内容でした。

西陣の織元 山口豊さんの作った皇室の旗

夜は昨年のワークショップ参加者と八重洲の沖縄料理店で盛り上がりました。


染織紀行その3

昨年の葛布ワークショップメンバーと東京駅前の沖縄料理店で大騒ぎし、ホテルに着いたのは11時ごろ。風呂に入ったり身支度したりしてベットについたのが夜中の1時。明日は一番の新幹線に乗らなければ、目的地に着かないと 緊張の思いで寝たので、目が覚めたのは明け方4時。そのまま起きていて始発の上越新幹線に乗った。途中平良さんからも電話があり 彼女も緊張のあまり、4時に起きてしまい、一足先に新潟駅で待っているとのこと。
 駅で落ち合って 一安心。なにせ奥羽線は本数が少ないので乗り遅れると大変なことになる。
特急いなほにのって約2時間 山形県境の府屋駅に着くと 科布の盟友石田さんと、さんぽく生業の里
の國井さんが待っていてくれた。
 新潟県から山形県へ海沿いに石田さんの運転で車で抜け、関川のしな織りセンターへ向かう。
静岡ほど山は高くないが 山肌をどんどん抜けてゆく。道沿いに葛が多い茂っているのが気になる。
 冬の間は通行止めとなる道をようやく抜けて 集落が見えてきた。科織りセンターである。
体育館ほどの立派な建物である。庭には科の木が立っている。
組合長の五十嵐さんの出迎えを受ける。いつも電話では話しているが、実は1年半ぶりの再開。
かなりやせていた五十嵐さんは前よりすこし太られた感じ。穏和な彼がより優しくなった感じだ。
 庭からは摩耶山が近くに望まれる 本当に山奥なんだと感じる。
しな織りの里 あこがれの地、私はやっとここに来た・・・・。
◆科織センターの前

◆近くに望む摩耶山

10月16日 山形 関川、しな織りセンター

朝一番の新幹線で新潟へ。平良さんと落ち合って府屋へ そこでさんぽくの國井さん、鶴岡の石田さんと
出会い、関川しな織りセンターへ その後山熊田のさんぽく生業の里へ 夜は勝木泊でした。

関川のしな織りセンター

明日からしな織り祭り
居座り機が出してありました

しな織りセンターの展示室

工房の高機

織姫と話す石田さん
織姫は私も東京で会っているので知り合いです。

関川一軒しかないおそば屋さん

お昼はおそば さすがおいしい


染織紀行その4

関川しな織りセンターは 元保育園を改造した体験棟、制作の織機が並ぶ工房
新築の展示場と二階の集会室と 設備がとても整っている。
明日からの しな織り祭りに向けて みなさんが実演や体験の機を準備していた。
 織姫には何人か知った顔もあって 懐かしい。
体験棟には いざり機が一台、原始機が一台、あと体験用の高機が10台ぐらい並ぶ
工房には 大きな高機が4台 広幅の飛び杼の機が1台
 そっとのぞいた倉庫にはいざり機が2台あった。
立派な施設にびっくりと感動。作品を展示販売するところはきれいで素晴らしかった。
◆いざり機
 
◆展示室

10月16日 新潟山熊田 さんぽく生業の里

関川から峠をこえると そこは雷 ここもしな織りの里である。そしてもう一つ峠を越え山熊田へ。
ここの生業は1山、2熊、3田んぼ と言われたのが地名となったそうだ。そこにあるさんぽく生業の里へ 

ここでも高機でしな織りを織っていた

夜は勝木泊 そこで國井さんと、石田さん、平良さんと会食

さんぽく銘酒日本国 
「ぶす」をつけた女性の絵

染織紀行その5

お昼はたった一件あるおそば屋さん。太めの麺はつやがあり 香りが良い

 おいしいおそばをごちそうになってから 雷峠を越え新潟県にはいる。この雷も科布の部落である
そしてもう一つ峠を越えるとそこは山熊田 邊見泰子の本でも書いてあったが、山の収入が6割、熊の収入が3割、田んぼの収入が1割であることに因むという。図らずも車の中で國井さんからも、同じ事を聞いた。狭いところだと言いながら、実際使うことができる囲炉裏、古く太い張り、古い民家をレストアしたすてきな空間であった。そこに新築の工房、畳の大きな集会場が付属していた。